頭の中

医療ドラマ、多すぎじゃない?──医師会の陰謀説を本気で調べてみた

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ドラマを見ていてふと思った。

「医者のドラマ、多くない?」

仁、ドクターX、ドクターコトー、ブラックペアン、コードブルー、コウノドリ、TOKYO MER…

数え上げたらキリがない。

で、ふと考えた。

もしかして、医師会が「医者になりたい若者を増やすため」にテレビ局にお金を出してるんじゃないか?

陰謀論っぽいけど、あり得なくもない話だ。ドラマに憧れて医者を目指す人は確実にいるだろうし、医師会は政治力もある。

というわけで、本気で調べてみた。


結論:医師会は関係なかった

先に結論を言ってしまうと、医師会がドラマ制作に資金提供している証拠は見つからなかった。

日本医師会は政治活動には熱心だけど、テレビドラマへの投資というルートは確認できなかった。製薬会社のスポンサー提供も調べたけど、医療ドラマに特化した資金提供の仕組みは見当たらない。

じゃあ、なんでこんなに医療ドラマが多いのか。

答えは、もっとシンプルだった。


理由①:「生と死」は最強のコンテンツ

人の生死を扱うドラマは、視聴者の心を大きく揺さぶる。

これは医療ドラマに限らない。戦争映画、大河ドラマの合戦シーン、サスペンスの殺人事件。「人が死ぬかもしれない」という緊張感は、どんな恋愛ドラマよりも視聴者を画面に釘付けにする。

医療ドラマが優れているのは、「死」を自然にストーリーに組み込めること。

病院という舞台設定だけで、いつどこで誰が死んでも不自然じゃない。脚本家にとって、これほど扱いやすいテーマはないだろう。


理由②:ストーリーの幅が無限大

医療ドラマのもう一つの強みは、患者を変えるだけで全く違う物語が描けること。

  • 患者が大金持ち → 「金で健康は買えない」というテーマ
  • 患者がスポーツ選手 → 競技復帰への葛藤
  • 患者が子供 → 親の愛情物語
  • 患者が医者自身の家族 → 職業と私情の板挟み

刑事ドラマだと「事件を解決する」という結末がほぼ決まっているけど、医療ドラマは「治る」「治らない」「患者の選択」など、結末のバリエーションも豊富。

だからシリーズ化もしやすい。ドクターXなんて、もう何シーズンやってるかわからない。


理由③:日本人にとって病院は「日常」

これは意外と見落とされがちな視点。

日本は国民健康保険があるから、誰でも3割負担で病院に行ける。

海外では病院に行くこと自体がレアケースという国も多い。でも日本人は風邪を引いたらとりあえず病院、ちょっと調子悪かったら病院。病院はカフェやコンビニと同じくらい身近な場所だ。

だから病院を舞台にしたドラマにも、すんなり感情移入できる。

アメリカの医療ドラマ「ER」が日本でヒットしたのも、日本人にとって病院が「他人事じゃない場所」だったからかもしれない。


実は医療ドラマ「だけ」が多いわけじゃない

ここで面白いデータがある。

2020年冬のプライムタイム(19時〜23時)のドラマを調べたところ、16作品中、刑事ドラマが6作、医療ドラマが6作

全体の75%が「命をめぐるシリアスなストーリー」だった。

つまり、医療ドラマだけが特別多いわけじゃなく、刑事ドラマも同じくらい多い。

両者に共通するのは:

  • 緊張感がある
  • シリーズ化しやすい
  • 中高年(テレビの主要視聴者層)に刺さる

テレビ局は「視聴率が取れる」からこのジャンルを量産している。医師会の陰謀じゃなく、純粋なビジネス判断だ。


でも、ドラマが医者を増やしているのは本当

陰謀論は否定されたけど、「ドラマを見て医者を目指す人がいる」というのは事実だ。

医師455人へのアンケート調査では、「医療ドラマが進路選択に影響した」という回答があった。

「実際にどんな世界か見てみたいと思い、進路選択に影響したのは事実」(50代/放射線科)

「中井貴一版『立花登 青春手控え』を見て医者になろうと決めた」(50代/外科)

特に「コードブルー」の影響は大きかったようで、このドラマをきっかけに救命医を志す人が増えたという指摘がある。

さらに面白いのは、ドラマが現実を変えた例。

コードブルー放送前(2007年)、全国のドクターヘリは14機だった。それが放送後、50機にまで増えた。

ドラマによってドクターヘリの認知度が上がり、導入を求める声が高まった結果だという。


結論:陰謀はなかったが、影響はあった

医療ドラマが多い理由をまとめると:

  1. 生と死という最強のテーマを自然に扱える
  2. ストーリーの幅が無限でシリーズ化しやすい
  3. 日本人にとって病院が身近で感情移入しやすい
  4. 視聴率が取れるからテレビ局が作りたがる

医師会の陰謀説は否定されたけど、結果として医療ドラマは「意図せぬ広報効果」を生んでいる。

医者を目指す若者を増やし、ドクターヘリの普及にも貢献した。

考えてみれば、弁護士ドラマや教師ドラマは医療ドラマほど多くない。それは「命」という最も強いフックがないからだろう。


最後に:あなたが医者を目指したきっかけは?

もしこの記事を読んでいる医療従事者がいたら、聞いてみたい。

あなたが医者や看護師を目指したきっかけに、ドラマはあった?

コメントで教えてくれたら嬉しいです。

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